【世界の動き】 世界エイズデー

2011/12/7

「ゼロ(Getting to Zero)」をメッセージに、今年の世界エイズデー (12月1日) はHIV新規感染者ゼロ差別ゼロエイズ関連による死亡ゼロという3つビジョンを掲げ、2015年までのゼロキャンペーン (the Getting to Zero Campaign) を展開しました。

世界のHIV感染状況は、HIV感染防止サービスの拡大治療薬普及により大きく改善されています。感染防止サービスへのアクセスが飛躍的に拡大し、HIV の新規感染は1997年以来 20% 以上減少。さらに治療薬の普及により昨年だけでも70万人もがエイズ関連の死亡から命が救われています。

こうした改善と進歩がみられる中、エイズをゼロにするには更なるコミットメントが必要です。そして、UN Womenミシェル・バレル局長は、「エイズをゼロにするには女性と女児への差別をゼロにする必要がある」と強調しています。(UN Womenより)

世界のHIV感染者およそ3400万人のうち約半数が女性です。サブサハラアフリカでは女性がHIV感染者の60%を占め、東ヨーロッパや中央アジアでは現在でも女性の感染が拡大しています。また、エイズは出産年齢にあたる女性の死亡の主な原因といわれており、妊婦の死亡のおよそ20%はエイズによるものとされています。(参考:The Global Coalition on Women and AIDS) しかしながら、残念なことにこうした女性たちは本当に必要とする医療やサービスへのアクセスが限られています。

また、HIV感染者を家族に持つ場合、女性・女児が受ける影響も深刻です。国連開発計画アジア太平洋地域事務所が発表した最近のレポート “Socio-Economic Impact of HIV at the Household Level in Asia: A Regional Analysis of the Impact on Women and Girls” は、HIV感染者を家族に持つ家庭が受ける社会経済的影響が非常に深刻であることを警告しています。家族のケア労働を担う女性たちにとって、コミュニティからの差別やHIV感染による家族の失業、治療薬費用など経済的・社会的負担は重くのしかかります。また感染者のいる家庭では、子供とりわけ女児が学校に通わなくなるケースが多く、女児の就学率の低下も深刻な問題です。

世界からエイズをなくすためには、HIV感染による社会的差別や暴力、経済的負担など女性と女児が直面する特有の問題を見極め、彼女らのニーズをしっかりと捉えジェンダーを考慮したエイズ対応策が必要です。