【世界の動き】HRBA:女性の権利・人権とジェンダー平等の確保

2011/07/31

7月最終週、国連本部ではCEDAW(前記事ご参照)に続き人権委員会が開催されました。

CEDAWではあらゆる立場の女子に対する政治的、社会的、経済的差別の撤廃を目的として女性・女児の権利・人権が提唱されていますが、こうした「ジェンダーと人権」に関してもうひとつ重要となる国際的枠組みが、ウィーン宣言です。1993年にウィーンで開催された国連世界人権会議で採択され、「女性・女児の人権が普遍的人権の重要部分である」ことが盛り込まれ国際的な認知を得ました。そして2年後の1995年では、世界女性会議で北京宣言が採択。ウィーン宣言を盛り込んだ同宣言は、女性の権利は人権であるとし、ジェンダー平等と女性のエンパワーメント促進への取り組を表明しています。CEDAW、ウィーン宣言、そして北京宣言で表明されているこうした人権を推進し保障することは、平和、持続的開発、民主主義、安全を確保する上で極めて重要であり、今では国際社会の常識です。

また、人権を推進することは、開発プログラミングを進める上でも常識となっており、現在では、ジェンダー平等や女性のエンパワーメントを含め、開発プロセスにおいて権利基盤型アプローチ(Human rights-based approach: HRBA) が不可欠となっています。女性を含める全ての人間が差別なく平等でなければならないことを基本理念とし、権利保有者 (right-holders) とそれを保障する義務のある義務履行者 (duty-bearer) を開発課題の中心に置き、何が不平等でどのような権利・人権が奪われているか、誰がそれらを保障すべきか、そして保障するためにはどのような協力が必要かを模索し問題に取り組む手法です。開発プロセスで HRBA を実施することで、普遍的・基本的人権を確保し、現地コミュニティの参加拡大と強化、社会で最も周縁化された人々に焦点を当てることで脆弱性の減少、アカウンタビリティーの増加、透明性の向上、などの結果が得られるとされています。

HRBA は国際NGO (例:セーブ・ザ・チルドレンン) や国連で幅広く活用されている開発プログラミングのプロセスです。重要な国際人権条約の一つである CEDAW が提供するガイダンスをもとにHRBA を実施することで、開発課題に取り組むそれぞれの段階でジェンダー平等を確保することが可能になります。HRBAの詳しい実施方法・マニュアルはこちら (A Human Rights-Based Approach to Programming: Practical Implementation Manual and Training Materials:英語) 
をご参照ください。